「アーノルドからロバートソンにパスが通る裏事情」
SBからSBへのパスは見た事がない。
アーノルドからロバートソンへサイドチェンジ。狙わずして起きうる時はあるが、リヴァプールの場合は狙っている。
この現象が起きる理由は、両SBが高い位置を取れているからだろう。
成立要因は、SBを高い位置で取らせたい→CBの距離間を広げよう。→ワイナルドゥムとファビーニョで空いたスペースを埋めて補填。→中央が空いたスペースはフィルミーノが埋める。大方こんな感じ。
最近の選手の動きを見ていると、特にサイドは攻撃戦術が機能している。その裏には細かな選手のポジション取りが行われている。
では狙いは?
1つ目、両SBの高い攻撃力を存分に活かすため。
2つ目、サラーとマネという得点能力の高い選手を中央にポジション取りさせるため。
3つ目、相手の強力ウイングを下げさせるため。
1つ目の理由は、シンプルな答えだ。
アーノルドとロバートソンはどちらもクロス精度が武器になっている。チームとしてこのストロングポイントを十分に活かしたいのだろう。
2つ目は、サラーとマネを純粋なサイドアタッカーとして計算していないから。クロップは彼らに得点を生むストライカーの役割を任せている。そのため、ゴール前にポジション取りが出来るような仕掛けを施したいのだ。
マネがゴールを取り出した時期と、SBのパスが通り出した時期は被っている気がする。
3つ目は、どのチームもウイングには強力な選手が存在し、彼らに守備をさせたいから。
攻撃は最大の防御と言うように、攻める事で相手の攻撃力を沈める。翼が折れた相手の攻撃など、後ろにファンダイクやアリソンがいるリヴァプールにとって無力に等しい。
SB同士のサイドチェンジが起きる理由は、チームとしてのストロングポイントを活かすため緻密な選手配置をしたから。
選手の動きが滑らかになりつつある。良い意味でシステム化されてきた。見ていて面白いリヴァプールは、まだまだ面白さを増すに違いない。